暁のヨナ 第145話

第145話   何が正しくて

＊ネタバレ・画像バレがあります。お気を付けください。

 

 

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前回のお話はこちら。

⇒第144話　　怒り

 

 

様子のおかしいシンア。

 

 

能力を使ったために麻痺返しで

倒れ込むシンアを受け止めるヨナ。

 

 

身体が重いけれど、

まだ脚は動くから大丈夫・・・と言うシンアの元に

ユン、キジャ、ゼノが追い付いてくる。

 

 

 

再会を喜ぶヨナたち。

 

 

 

しかし、緋龍城も遠く、治りの遅いキジャやジェハ、

麻痺返しで身体の自由の利かないシンア・・・

 

 

 

ジェハが

「ハクに寄りかかると楽～」と

 

ハクに寄りかかると

ハクが血を流していることに気が付き、

慌ててユンを呼ぶ。

 

 

 

ユンは泣きながらお説教をし、

 

自分より他の人たちを、と言うハクに

 

今はあんたが一番重症だ！と手当てをしていく。

 

 

 

 

そんな一行を見ながら、

 

刺客たちは

先程のシンアの能力を目の当たりにし、

 

まさか・・あれが高華国の化け物か？と話し、

 

ゴビ神官に報告だ、と

その場を去る。

 

 

 

 

矢傷を受けたコウレンの元にユンがやってくる。

 

 

傷を診せて、と言うユンに

 

構うな、大事ない、

と言うコウレン。

 

 

診せて

矢傷は馬鹿に出来ない、

とユンがもう一度言うと、

 

腕を差し出すコウレン。

 

 

 

なぜ敵国の、

しかも自分を捕らえた者の傷を治療するのか

 

と尋ねるコウレンに、

 

ユンは

戦や暴力に負けたくないから、と答える。

 

そして、

治すのに敵とか味方とかはない、と話す。

 

 

 

 

コウレンは、

四龍の力は神の領域であり、

 

その力を以てすれば、

 

スウォンに復讐も出来るのではないか、と問いかける。

 

 

 

その問いに、

 

四龍は私怨の道具ではない、

 

と答えるヨナ。

 

 

 

では私怨はあるのか？

とコウレンが問うと、

 

わからない、と答えながら

ヨナは考えていた。

 

 

あの簪を捨てなかったのは

あの夜を忘れないためだと

自分に言い聞かせていた。

 

でもたぶんほんとうは

心のどこかで

スウォンを信じたいと思っていたからだ。

 

もう簪は手放した。

 

 

 

ヨナは

「わからない・・・

 

あの日のことを簡単に許したりできない

 

でもそれだけに囚われて

 

生きていきたくないの」

 

そう答えるヨナ。

 

 

 

 

スウォンとの会談について

尋ねるコウレン。

 

タオと共に話し合いの席に着くなど

条件はあるが

それに応じれば高華国との間に血が流れることはない。

 

コウレンにとっては辛い決断であるだろうけれど、

 

一つだけ言えるのは

ユホンのように真国の民を奴隷にするつもりならば

スウォンは初めからそんな約束、

 

つまり無駄なことはしない。

 

そう、コウレンに話すヨナ。

 

 

 

二人の会話を聞きながら

ハクは自分も同意見だと考える。

 

スウォンは無駄なことはしない。

 

ヨナがどういうつもりで簪を手放したのかはわからないが

ただわかるのは、

もうヨナは目を逸らさない。

 

怯えや憎悪ではなく、

スウォンとまっすぐに対峙している。

 

 

それが自分にはできるか。

 

スウォンを前に冷静を保つことなどできるのだろうか。

 

そう自問自答するハク。

 

 

 

 

ヨナとの会話を通し、

 

コウレンはネグロの想い、

今までの自分や父の想いを思い返す。

 

あの戦を知る民は高華国に一矢報いよと生きてきた

 

 

だが

 

 

 

 

コウレンは

ユン、四龍を捕らえ

人質としたことを詫びる。

 

 

ユンの手当てを受け、

立ちあがったが

ふらつくコウレンをタオが支える。

 

 

こうしていたほうが彼らは手を出せない。

 

ゴビ神官とは距離を置いていたが

ネグロをあのようにしたことを目の当たりにし、

 

「人を恨んでしまいそうです・・・」

 

と涙するタオ。

 

 

 

そんな中、

ユンがミザリのことを尋ねる。

 

自分たちよりも先に檻から出て走って行ったが

ミザリも矢を受けていたから・・・

と話し、

 

ジェハ達も

黒服の人たちを追ってきたが

 

見張りの人たちも大勢やられていたし、

反戦派はタオの味方ではないのか、と尋ねる。

 

 

ミザリが狙われた。

ヨタカはおそらく野営地にいる。

 

死ぬな

 

そう願うコウレン。

 

 

 

 

 

 

 

一方、野営地では

ヨタカがまとわりつくような胸騒ぎを感じていた。

 

 

将軍に兵たちの様子を尋ねると

 

今のところ問題はないが

 

表情が固いヨタカに

兵の士気を下げるぞ、と言われてしまう。

 

 

そうしていると兵士から声をかけられ、

ゴビ神官が民衆と集会を開いている場へやってくる。

 

 

コウレンが民を道連れに死ぬつもりであり、

民を盾にしてでも復讐を果たそうとするだろう、

 

しかし、タオが平和へと導いてくれる。

 

そう民衆に説くゴビ神官。

 

 

兵士より、

神のお告げでスウォンとタオの婚姻で

両国が幸福になる

とあったらしいと話があり、

 

自分は宰相にでもなる気か、と

ヨタカは鼻で笑う。

 

 

民が

「でもまだこの国には五星がいます」と言うと

 

そんな者どもは守ってなどくれない

血をを求めた、戦を引き起こした咎人として

いずれ天から罰を受ける

 

そう畳みかけるゴビ神官。

 

 

 

「言わせておけば・・・」

 

そう、ヨタカが苛立ったところを

後ろから兵士に刺される。

 

 

 

「天罰ですよ

ヨタカ様」

 

 

 

 

「お前・・っ

誰・・・」

 

ふらつきながらヨタカは振り返る。

 

 

 

「ただの・・・いち兵士ですよ

反戦派のね」

 

 

この兵士の友人はミザリに斬られた。

 

その友人は今はもうまともに歩くことも出来ない。

 

縋るものは神の声だけ。

 

 

自分たちは無意味に死んでいくのは嫌だ。

 

ゴビ神官は五星の首を差し出せば

高華国は戦を止めてくれると言った。

 

そう凄む兵士。

 

 

 

ヨタカはミザリを止められなかったことは

自分の責任。

 

 

「だが・・・

コウレン殿下に仇をなす者ならば

五星として

誰であろうと

俺は躊躇わない」

 

そう言い放つ。

 

 

 

そこへゴビ神官がやってくる。

 

 

 

開戦派に勝機はなく、

開戦派の五星は今はヨタカひとりだ、と告げる。

 

 

 

「ネグロに・・・

ミザリに何をした！？」

と叫ぶヨタカ。

 

 

「ネグロは首座の五星として

相応しい最期だったらしいぞ」

 

そう告げたゴビ神官に

激高するヨタカ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テウは考え込んでいた。

 

ヘンデが話しかけても、

突っ込んでも、

 

「ハク様から何か言われたん？」

 

そう聞かれても

 

「知らね」

 

と言い、去っていく。

 

 

 

ハクが

自分は風の部族を出た

風の部族を頼む

 

そうテウに伝えたことで

もう自分たちのもとへ戻ってこないつもりなのか。

 

 

 

風の部族を守ることを考えろ

 

テウはハクも守ると言っているのに

そう言われたということは

 

戦が始まれば・・・

もしかしてハクも敵になることがある？

 

だとしたら

部族長として

どうするのが正しい？

 

 

テウは思い悩んでいた。

 

 

 

そのテウの目線の先に

ヨタカとゴビ神官とのやり取りが行われていた。

 

 

ヨタカを殺れ、と命じ

手を出そうとした黒服の人たちの前に

槍が突き刺さる。

 

 

 

「真国のお偉いさん方集まって

戦を前にやばい話？」

 

 

柵から覗き込んだテウは話しかける。

 

 

慌てるゴビに

 

「高華国

風の部族のテウってんだけど

俺にも話聞かせてくれる？」

 

そう話しかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

＜感想＞

なんとも・・・・・

 

まず、

ヨナたちが無事に再会できてよかったです～！

 

みんな満身創痍ですが（涙）

 

ユンの一貫した戦とか暴力は嫌だ、という考えは

以前から変わらないのですが

 

そこから先に、

「それに負けたくない」と一歩進んでいて

ユン自身も最初と比べて、

阿波での戦いのときよりも

ユンらしい強い成長を感じました。

 

戦いものでは

敵は敵。悪役は悪なものが多いですが

真国もそうですが

対立をするには、戦を、と立ち上がったのには訳があって

それが見えていくと、

それぞれの正義、信念もまた見えてきて

とても切なくなります。

 

スウォンと対峙しているヨナ、

そしてハクもそうですね。

 

ハクのモノローグが

苦しさも切なさも伝わってきて

何とも言えない気分になりました。

 

 

コウレンがユン、四龍を捕らえたことを素直に詫びたこと、

ヨタカが兵士へ幾重にも詫びようと伝えたこと。

 

とても驚きました。

 

上に立ったり、

地位や名誉がある人は特に

なかなか自分の失敗や責任を認めることは難しいです。

 

それを自分の過ちや責任だ、と

頭を下げることはプライドも邪魔をしてしまうでしょうが

素直に出来るのはすごいことだと思います。

 

ヨタカもコウレンの背中もみているからこそ、

なのだと思います。

 

 

真国も立てなおしていける、

そう感じた場面でした。

 

 

テウの苦悩はたまらないですね。

 

大好きな、尊敬してやまないハクに

そう言われてしまったら。

 

部族長として守るべき人たちもたくさんいて

その中にはもちろんハクもいたのに。

 

でも、そこで「はいじゃぁわかりました」と

割り切れるほどの関係でもないんですよね。

 

みんな、みんな家族で大事じゃだめなのかあぁぁぁぁ・・・！！！！

 

と叫びたくなりました。

 

 

 

今月号はドラマCDがついています。

斉国編です。

 

こちらはまた大好きな風の部族との再会のエピソードもあるし、

楽しみです♪

 

ちなみに来月号と2号連続です。

 

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次回は9月5日です。

 

楽しみです♪

 

 

 

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次回のお話はこちら。

⇒第146話　都合に合わせた正義を盾に